19 Daisuke Tanida INTERVEW 「ではタニタのコンセプトとは何だろうか？と考えました。この当時、 タニタはすでに計測器メーカーとして地盤を固めつつありました。 計測器メーカーだから『はかる』ことがコンセプトだと考えがちで すが、それではビジネスの幅は広がらない。そこで、もっと深掘し て考えたんです。『なぜ人は体重を量るのだろうか』って。そして行 きついた答えが『健康でありたいから』でした。この答えに行きつ いた時、わが社のコンセプト＝「健康をはかる」だ、ということが 非常にクリアに見えてきたんですね。これからは単に計測器を売る だけではなくて、『健康をはかる』を軸に様々な商品やサービスを提 案していこう、そう決意した瞬間でもありました」 　帰国後、大輔は取締役開発部長に就任。「健康をはかる」というコンセプトの もと、タニタのビジネスを深堀していく。トースターやライターなど不採算部 門を潔く切り捨て、得意分野である計測器部門を深く掘り下げていった。そう することで、製造の効率が上がり、製品の品質も向上していったのである。 84 年 に は 日 本 初 の デ ジ タ ル 式 ヘ ル ス メ ー タ ー を 開 発 、 世 に 送 り 出 し た 。