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22  大輔率いるタニタは、経営の立て直しと同時に、体重のメカニズムについて の研究も進めていた。 90 年には体重科学研究所とベストウエイトセンターを設 立、医師など各分野の専門家を招いて、体重計測を通じて健康増進をはかるた めのプロジェクトを立ち上げたのである。  プロジェクトに参画していた医師からは、「肥満とは体重の問題ではない。脂 肪の問題なのだ。同じ体重でも、筋肉の割合が多い人よりも、脂肪の割合が高 い人の方に問題がある」という意見が上がった。  しかし、この業務用体脂肪計は、販売価格が 45 万円と高価だったため、あま 「この意見を聞いてハッとしましたね。自分自身、自分の脂肪量なん て考えたこともありませんでしたから。もちろん自分の脂肪量が健 康上適切な量かどうか、知りたいと思いました。だから医師たちが『脂 肪量と体重を同時に量れる計測器があればねえ』とつぶやくのを聞 いた時、直感的に『タニタがそれを作る!』と決意したんです。 90 年 に 研 究 に 着 手 、 92 年には業務用の体内脂肪計を完成、発売に至り ました」