27 Daisuke Tanida INTERVEW 　そんな大輔の思いをよそに、千里も「健康をはかる」というタニタのコン セプトをしっかりと受け継ぎ、身につけるだけで１日の総カロリー消費量を はかることができる「カロリズム」や簡単に尿糖値をはかることができる「尿 糖計」を開発、ヒットさせるなど経営者として手腕をふるっている。また、 社員食堂のメニューで注目をあび、そのレシピ本でシリーズ累計 425万部 を売り上げたのは周知の通りだ。2012年１月には東京丸の内に「丸の内 タニタ食堂」を開店、健康をテーマにした飲食店事業をスタートさせるなど 飛ぶ鳥を落とす勢いだ。 　そんな息子をさりげなく見守りつつ、大輔もまた、新たな挑戦を続けている。 大動脈瘤の治療が一段落した 2010年には、タニタ総合研究所の所長に就 任。同研究所では、タニタ OBを中心に 60 歳以上の高齢者を積極的に再雇用 し、豊富な知識や経験を活かした後進指導、コンサルティング業務などを行っ ている。雇用延長制度への対応策でもあるが、最大の狙いはタニタの持つノ ウハウや技術を確実に次世代に継承していくことだ。 　そして 2011年には株式会社予防医学研究所を設立。主に高齢者の健康管理 サポートプログラムを通じて地域振興と地域活性化に取り組み始めたところだ。