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- 21 - ザルツブルグ鉄道音楽隊来日の思い出 オーボエ 山田 朱里 あれはもう10 年も前の事なんですね。ザルツブルグ鉄道音楽隊が来日する事が決まった 時、私はホームステイの受け入れを希望しました。当時は旦那様と2DK のアパートに住ん でいたので同じ歳ぐらいの団員を一人受け入れたいと思っていました。でもその前に私達 がザルツブルグを訪れた際に妙に背の高く上品なご婦人が私を妙に気に入ってくださいま して、私の事を「日本の私の娘」だとまで言ってくださいました。そのご婦人がぜひ、夫 婦であかりの家に泊まりたいと言ってきたので正直困りましたが受け入れる事にしました。 せめて彼女の旦那様が楽器をやっていれば良かったのですが、旦那様は鉄道職員(確か清掃 員)なだけで彼女は鉄道音楽隊の後援会に入っているというつながり。背も彼女の方が高く、 彼女は商社を経営しているとの事で多分、収入的にも彼女が上なのでしょう、常に彼女が 威張っていたのが印象的でした(笑) 小さな日本のアパートに夫婦2 組(しかも50 歳近い夫婦!)が同居というのは中々辛い事 もありましたが、それでも一緒に夕飯を作ったり、居酒屋に飲みに行ったりと今思えば楽 しい経験でした。滞在中はザルツブルグ鉄道音楽隊との合同演奏会やその打ち上げ飲み会 があったりと忙しい日々。でも酔えば歌いだすザルツブルグ音楽隊の面々はとても陽気で 良い人ばかり。浜松から東京へ向かう時は私は会社を休み一緒にバスに乗りました。バス ガイドさんがおばちゃんで英語が一切ダメだというので私のインチキ英語でガイドという 珍道中で今は無き秋葉原の鉄道博物館に行き、そこで偶然「ヨーロッパの鉄道模型」のイ ベントが行われていて、そこに本物のヨーロッパ鉄道の運転手が行ったので会場が大盛り 上がりで鉄道博物館の職員がものすごく興奮していたのが印象的でした。 10 年も前の事なんで段々記憶も薄れ、とりとめのない文章になってしまいましたが国際 交流は思っている以上に大変、でも思っている以上に感動もあります。こんな普通の人が 体験出来ない事を体験させてくれる浜松市民吹奏楽団に所属する事が出来た縁に感謝です。 私も今年で入団20 年、入った時はピチピチの20 歳だったのに・・と歳がばれてしまいま すが、これからも何があっても辞めずにまた素敵な国際交流を体験出来たらいいなと思い ます!