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.... 鳥の嘴が島ごとに違うという観察を通して、進化論のアイデアを思い付いたの は有名です。進化は普通何万年もかかってできると言われています。ところが米 プリンストン大学のピーター・グラント教授らは、ガラパゴス諸島の中で、気候 の変動がとても大きな島であるダフネ島で、全てのフィンチに足環を付けて 30年間観察を続けたところ、フィンチの嘴が前年の気候によって左右される ことを見い出しました。気候が温暖であれば柔らかい木の実が食べられますか ら小さな嘴の個体が有利になります。一方、悪天候の時は硬い木の実を食べねば ならず、大きな嘴の個体が有利になります。ピーター・グラント教授らの発見は、 前年の天候が穏やかであれば翌年は嘴の小さな個体が増え、悪天候の翌年は嘴 の大きな個体が増えるというものでした。実に進化は毎年起こっていたのです。 意識の働きによって進化が工夫されていると言うべきではないでしょうか。 くちばし