ところが、自分の『後ろ』を振り返っても、後ろには何も見えません。と いうことは、これは眼で見える空間的な「後ろ」のことではないはずです。 すると『後ろ』とは、もう1 つの「後ろ」、つまり『時間的な後ろ』とい うことになります。そう考えた時、また「ハタ！」と気付きました。それ は時間的な『後ろ』とは、自分が経験した後のことではないか、というこ とです。というのも私たちは誰でも、何か行動した直後に、感動や平気や 自責の念を覚えます。あるいは喜びや普通の気分や恐れを感じます。この ような感情は、自分の頭で考えることによっては、誰もが決して生み出せ ないものです。ところが何かを経験すると、その直後に必ずこれらの感情 が自動的に起こります。行動の後、無意識に、自動的に、常に、瞬時に起 こるということは、自分の行動の後を絶えず見張っていて、判断し、私た ....