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 私はそのとき初めて、自分の脚は若い女の子たちが、一緒になって大笑 いするほど短く不格好なことを知りました。逃げて帰ろうとしましたが、 明日穿いて行くズボンがありません。店員から引ったくってその場から逃 げました。私は自分の体が、人の笑い物であることを恥じました。「今後は 人の前に立てない、立つ職業には付けない」と感じました。  それほどのショックは、心に傷跡を残しました。郊外にあった自分の実 家から街へ行くには、その店がある大通りを超えなければならないのです が、その件以来1年間は、どうしてもその大通りを越えられず、街へ出る ことができませんでした。私は以前にも増して人前に立つことも恥ずかし く感じ、とても気後れしました。 ....