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「きみはこれからどうするの?」 岬への道を歩きながら、ぼくは尋ねた。 「さあ」 真理子は空を見上げた。夕暮れが迫っていた。 「どうしようかな…」 真理子は、ぼくを振り返った。 「島崎くん。どうしようか…島崎くんは、こんな私を受け入れてくれるのかしら…」 岬の突端には、鐘が吊るされていた。真理子はそこまで駆けていって、何度も何度も鐘を鳴らした。カモメたちが、盛んに鳴きながら、夕暮れの空を群れ飛んでいた。 鐘は鳴る。 いまいちど鐘は鳴る。 世界の黄昏に鳴る鐘のように。