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「一斗缶」工場として会社創立  スズキ機工は、現会長で父の鈴木道弘が1971年に千葉県松戸市で創業しま した。父と母と、5歳の兄、2歳の私、1歳の妹の5人家族が暮らす、たった二 部屋しかない我が家に、事務机と電話を置いただけのとても小さな会社でした。  父は 20 歳の頃から製缶工場に勤めていました。塗料や食用油などの保管に使わ れる 18 リットル缶、いわゆる「一斗缶」を作る工場です。その製造過程で欠かせ ない工作機械の修理やメンテナンスを担う工務部で経験を積み、「技術一本でや ってきた自分の腕を試したい」と、 28 歳の若さで独立したのです。  創業当初は、製缶メーカーから 18 リットル缶製造機械のメンテナンスを請け負 っていました。生産ラインが止まっている夜中が最も忙しく、クルマに工具を積 んで、真っ暗な工場へ出かけていきました。母も助手として懐中電灯で手元を照 らしたり、部品を押さえていたりと付き添いました。幼い子どもたちだけを家に 残しておくわけにもいきませんから、私たち3兄弟もクルマに乗せらたものです。 12