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は食品業界の新規顧客の開拓、他のスタッフは自動車部品の装置に挑むという構 図でした。A社からの大型案件に、新たな可能性を期待していたある日、経理を 担当していたスタッフから「売上はどんどん上がっているけど、請求書を出して も『追加工事が終わったらまとめて払う』と言って、いつまでたっても支払って もらえません」と報告がありました。その直後に、先方の態度が一変し「今まで のスズキ機工の不完全な仕事が原因で損失を被っている。支払いはもちろん、損 害金の賠償も検討している」といった内容証明が送られてきたのです。  わけが分からないまま状況・事実の確認に奔走しました。この時すでにA社へ の売り掛けは4000万円を超えており、解決の糸口すら見えない私たちに、さ らに追い打ちをかけるような信じられない出来事が起こりました。その案件を担 当していた設計のスタッフが辞表を提出したのです。思いとどまるよう説得しま したが、スタッフの決意は変わりません。父の焦燥感が伝わってきました。  しかし、本当に驚愕したのはその後でした。辞職したスタッフの転職先が、何 と4000万円を踏み倒そうとしているA社だったのです。さらに驚くことに、 25 第2章混迷期