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A社の社長が関係していたスズキ機工のスタッフ全員に高額な報酬を提示して、 引き抜こうと企てていたのです。  結果、もう一人が辞職し、合わせて2名が自分たちの施工した装置の代金を支 払わない会社に転職していきました。ここまでくると私たちではどうにもならな いと悟り、弁護士に相談し、訴訟へ踏み切り裁判になりました。判決はすぐに出 ました。スズキ機工の完全勝訴です。しかし、不動産などの資産はすべて金融機 関の抵当がぎっしり付いており、なすすべはありません。その後A社は倒産し、 時間と体力を消耗しただけでした。当時、年商が1億円程度だったわが社にとっ て、4000万円の貸し倒れは大きなダメージとなり、その後の事業運営に重く のしかかってきました。  装置製造は設計と電気制御が最も重要です。辞職していった2名はスズキ機工 の設計と電気の責任者で、会社の主力が突然辞職したわけですから致命傷です。 還暦を目前にした父の気力・体力の衰えは私の目にも明らかでした。 18 リットル 缶の事業もさらに低迷し、ついに創業時からのお付き合いのあった製缶会社が倒 26