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産しました。平成不況で多くの顧客が設備投資を抑制している中、代金回収の心 配も出始めました。手詰まり感が漂い、将来の展望を見いだせません。  ある日、夕食を終えて母と雑談している時に「もう会社をやっていくこと自体、 無理かもしれない」と弱音を吐いてしまったことがありました。母は少しの間を 置いて「スズキ機工はね、お父さんとお母さんが無一文から起こした会社なの。 だから何も失う物なんてないからね」と、ねぎらいの言葉を掛けてくれました。 その夜、ひとりベッドに横になった途端に涙が出てきて止まらなくなりました。 ただただ、情けない気持ちが抑えきれずに泣きました。  翌朝、目覚めると自分でも不思議なくらいスッキリした気持ちになり「負ける わけにはいかないよな……」と、心の底から思える自分がいました。 昼は営業、夜は技術習得に励む日々  自分を客観的に見て、営業力は長けていると思います。しかし、スズキ機工は 27 第2章混迷期