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12 元。「学問を大切にすること」が家訓で、「田畑を売ってでも学問を せよ」という家柄だった。「大学に進学しろ」という点だけは譲ら ない両親に、私も根負けしてしまった。  次に思い浮かんだのが外科医か歯科医師になることだった。持ち 前の手先の器用さが生かせるし、バブルが弾けた不況の中、資格の 大切さも感じていた。この選択に、両親は大賛成した。気になるの は高い学費だが、「お金のことは気にしなくていい」という親の決 意が、痛いほど胸に響いた。難関といわれる医学部、歯学部を目指し、 高校三年の夏休みから、新見は猛勉強をスタートする。