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いつつも、とにかく「ブレインスイッチBOX」をセットして聴かせたといいます。「聴けるか」、「気持ちが いいか」と尋ねると、唯一動く首を微かに縦に振ったそうです。  お兄さんの様子を見た彼は「息子にやらせるから毎日聴けな」と「ブレインスイッチBOX」を置いて、東 京に戻りました。 10 日ほど経ったとき、彼のもとに甥っ子から「親父が松葉杖を振り回して危なくてしょ うがない。おじさん帰ってきてくれ」と電話があった。全身麻痺で言葉も話せない人が、松葉杖を振り回 すだなんてどういうことだと不思議に思いながら広島に舞い戻ったのです。するとお兄さんが不自由な体 を引きずりながら歩いていたといいます。「兄貴、松葉杖は?」と聞くと、息子の方を指さし「ウーウー」と 怒りまくっていたといいます。息子の方は「親父は歩けるし、松葉杖は振り回して危ないから隠した」と…。 10 日ほど経って「兄貴もだいぶ良くなってきているしそろそろ帰ろうか」と支度をしていると、携帯電話で 誰かと話している。「ろくに話せもしないのに迷惑なことだ」と近くに寄って話の内容を聴いてみると、話 の内容が聴き取れるのにはビックリ。会社が心配で電話をしていたそうです。  最終的に、お兄さんは 35 日で会社に復帰しました。後遺症はまったくなし。運動能力も話し方も普通。 どもったり口ごもったりすることもないといいます。「そうはいっても、脳幹付近に梗塞ができたんだから 何かあるでしょ」と聞いたら、「しいてあげれば、昔よりも言葉がゆっくりになったかな」と…。これは通常 のトレーニングでも出る反応です。トレーニングをすると、話し方がゆっくりの人は早く、早口の人はゆっ くりになるのです。だからお兄さんの状態は、脳梗塞の後遺症ではありません。三ヵ月経って医者から完 治の証明書をもらってからは、大型バスを堂々と運転しているそうです。 18