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! 日本の音楽教育は腹が立つ 第3章 日本語リズムへの挑戦  私は中学生からクラリネットをはじめて、国立音楽大学を卒業した後、クラリネット奏者として活動を 始めました。学生時代は朝から晩まで寝る時間も惜しんで練習をしましたが、それでもやっぱりうまくな れません。年に三日くらい「俺は天才じゃないか」と思う日があるけれど、あとはもう地獄です。苦労して 大学に入りましたが、私だけでなくてみんな同じように苦労していました。それをみて「なんか変だ…」と、 ずっと思っていました。  なぜなら、ヨーロッパには「楽器をはじめて三年くらいでオーケストラに入った」とか、「飛び級で大学に 入って半年で首席で卒業して、大学院も三ヵ月で出て、プロプレイヤーになった」なんていうとんでもな い人が多くいます。ところが日本には、そんな人はひとりもいないのです。大学を卒業して、洗足学園大 傳田氏が聴覚システムを開発することになった背景には、日本の音楽教育がもつジレンマと、日本人が越 えられない西洋音楽の壁があった。日本語リズムへの挑戦はどのように始まったのか、その深淵に臨む。 29