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72 の全てを肉屋に捧げることになった。そんな父の努力のお かげで、ぼくは不自由なく好きに生きてこれたんだ。父が 巧みに肉の塊を綺麗に切り分けていくのを見て、ぼくは自 身を恥じた。父と「ぼくたち」の店を恥ずかしく思うこと が、どんなに自己中心的な考えだったのだろう。新しい店 は父の人生を捧げた努力の結晶なのだ。 店を出た時、ぼくは振り向いてみた。そこには父が誇ら しげに立っていた。父はいつよりまして大きく見えた。父 の努力のおかげで、父が決して持つことのできなかった、 どんな人生を歩んでいきたいのかという選択肢とその決定 権を手にできている。この恵まれたチャンスを活かして、 どんな人生をいきて、何を追い求めていくのかを探してい きたい。そうして、私は父に恩返しをしたい。(中略)そ して近い将来、自分のひたむきな努力を通じて自分の息子 や娘や友達、さらには世界中の人々に影響を与えられるよ うな人間になりたい。 こうして店を出て、ぼくはサングラスをカバンに戻し た。家までの帰り道、ぼくはiPhoneを取り出して、カレン | |