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21 子供の頃は大 きなものを 失った。 と同時に、とても大きな財産も得 ることができた。 不良を続けた学生時代。 中学もほとんど行かず、当然卒業も危ぶまれた時に、それを救 ってくれたのがなんと父親だった。 学校に行かず遊んでいたが、父親の仕事だけは手伝っていた。 何もできない自分が将来食べていけるのは、多分、親父の仕事 を手伝うくらいしかないと思っていたからだった。 ある日、中学の担任の先生が、「柿沼君は授業を受けた時間が 足りないので卒業は難しい。」と父親に言った。 その時、父親が言った言葉。 「先生、息子は学校の勉強はしてなかったかもしれないが、俺 の仕事を手伝って、仕事という勉強はしっかりやってきた。